S4DXおよびSARSTEDTを用いた分析前処理のデジタル化
ミュンヘンに本社を置くSmart4Diagnostics社のS4DXシステムは、ラボにおけるサンプリングと分析の間のデータギャップを解消します。完全にデジタル化されたトレーサブルな分析前処理により、エラーが大幅に減少し、ワークフローが最適化されます。同時に、患者から検査室までの検体のデジタルで完全に検証可能な個別の履歴が作成されます。デジタル前処理は、プロセスを変更したりルーチンに影響を与えることなく、診断のための新しい品質基準として利用することができます。
S4DXシステムは、次のような付加価値を提供します:
分析前処理の品質監視を構築
• 輸送時間および温度を記録
• 検体品質をISO 15189に準拠してデジタル監視
• 検体採取日時、患者の認証や場合により体調などのデータを紐付け
作業プロセスの最適化とラボコストの削減
• 検体輸送におけるコスト削減
• 検体搬入プロセスの自動化
• 再測定を最小化
• 送付者の訓練の手間を削減
• 顧客コミュニケーションの最適化
分析前処理エラーを大幅削減
• 「患者取違い」、「チューブ内の血液取違い」や「材料取違い」などのエラーを回避
S4DXシステムは、S4DX輸送監視および検体の登録と認証を行うS4DXサテライトシステムという2つのモジュール要素から成ります。
システムは、安全性とプロセスの透明性を高める予めバーコードが付けられたチューブの使用により完璧になります。
S4DX輸送監視
検体の輸送をデジタルで追跡し、データロガー(SmartTube™)を使って温度カーブや振動を記録し、ログブック全体をデジタル化することができます。検体送付者の関与あるいはお使いのLISへのインターフェースは、輸送監視のためのS4DX配送業者アプリがあれば不要です。
S4DXクーリエアプリを使えば、ログブックをデジタル化し、品質に関連する輸送データを読み出し、その後の分析に反映させることができます。このように、S4DXシステムはISO 15189の検体輸送に関する要件を満たしています。
S4DXデータロガーは、バッグからラック、輸送ケースまで、一般的な輸送容器に使用することができます。
検体受取時に設置するゲートウェイにより、輸送中の温度や振動のデータを非接触で読み取ることができます。
デジタル輸送監視の利点:
• ISO 15189に適合(輸送温度および時間)
• 直感的操作と拡張可能なシステム – 完全オンライン
• 作業プロセスに合わせてシステムをカスタマイズ可
• 高いコストパフォーマンス
S4DXサテライトアプリによる検体登録および検証
S4DX Satelliteアプリで前処理を完全にデジタル化します。S4DX Satelliteアプリは、採血からラボへの到着まで、LISやHISへの完全自動データ転送を実現し、臨床およびプライベートラボのどちらにも適しています。
患者を一意に識別できるため、患者取違いの可能性を低減します。オーダーエントリーの情報に従って患者順序を表示することで、採血担当者の作業が容易になり、採血時に直接、検体固有の、さらなる検体処理のための分析前指示を行うことが可能になります。
検体や患者の異常は、システムを通じてリアルタイムに入力でき、その後のプロセスで検体の品質を評価するために利用することができます。ラボに到着すると、あらかじめ定義された異常がバルクソーターで自動的に分離され、個別にチェックすることができます。これにより、アナライザーの貴重な時間とリソースを節約することができます。
患者や検体の状態に関する情報だけでなく、採取時間や採取者などのデータもデジタルでシステムに保存されます。このように検体の履歴は完全に追跡可能です。
検体登録および検証の利点
• ISO15189に準拠(検体履歴、タイムスタンプ、規格からの逸脱など)
• オーダーからの検体の完全なトレーサビリティー
• 採血担当者への採血順序のガイダンスと分析前の取り扱いに関する補足説明
• バーコード付きのSARSTEDT検体採取用チューブとの互換性
• 正しい患者の確実な確認と患者の取り違いの防止
S-Monovette® pre-Barcode & S4DXシステム
S4DXシステムは、ラベル付きのS-Monovette®用にすぐに使用できる完全なパッケージも提供しています。製造工場でS-Monovette®に貼付されたユニークなチューブ・バーコードとS4DX Satelliteアプリの組み合わせにより、検体チューブと患者順序を完全にデジタル化したリンクが得られます。事前分析でエラーの原因となる患者ラベルの貼付という手作業が省略されます。同時に、社内のワークフローをスピードアップし、貴重なリソースを節約することができます。