今月のヒント 静脈駆血

静脈駆血

僅かな努力で大きな効果を

 

採血に必要なものは以下の通りです:

Safetyカニューレ、Safety-Multifl y®カニューレ、必要に応じてマルチアダプターまたはBKFアダプター、採血管
および止血帯。

しかし、静脈駆血帯はどのように役立つのでしょうか?

• 静脈の穿刺がより簡単になる?
• 採血がよりスムーズに行える?
• 使用の際に注意することは?

詳細は以下の通りです!

そもそも採血に静脈駆血帯を使わないといけないのですか?

静脈がはっきりと見える場合は静脈駆血帯が必ず必要というわけではありません。しかし、腕の屈曲部では静脈が
はっきり見えない場合も多々あります。静脈駆血帯を使用することで静脈がよりはっきり見えるようになり、穿刺
をより安全に行うことができます。

静脈駆血帯を正確に使用するにはどうしたら良いですか

手の幅と同じくらいの長さの静脈駆血帯を希望の穿刺部位に巻きます。腕に血液が流れ続けるように、脈がまだ感
じられなければなりません。拡張期血圧より10mm Hg低い駆血圧が最適です

推奨:

静脈駆血帯は患者に見えないように巻いてください。

静脈駆血帯はいつ取り外すのですか?

静脈を穿刺して血液が採血管に流れはじめたら静脈駆血帯を緩める必要があります 総駆血時間が1分を超えてはいけません。
採血前に静脈駆血帯をやや長く巻いていた場合は、約1分間緩めておいてその後に改めて巻き直します。

何故1分以上駆血してはいけないのですか?

1分を過ぎるとほとんど全ての測定値が変化してしまうからです。測定結果が高すぎる、または低すぎる値になる おそれがあります。

静脈駆血により測定値が変化するのは何故ですか?

静脈駆血している間に一時的なコロイド浸透圧の変化が起こります。これは、水と低分子量物質の細胞外から細胞 間隙への移動を引き起こす毛細血管へのろ過圧力が増加することを意味します。

高分子量物質は毛細血管壁を通過できないため、血中濃度が上昇します。一方で低分子量物質の濃度は減少します。

静脈駆血の1分後にはもう最初の測定値が変化します。これは特に基準範囲が狭い値に対してかなりの影響を及ぼします。

終わりに:

静脈駆血帯は静脈の安全な穿刺をしやすくします。正しい測定値を得るには駆血時間が1分未満に収めるよう注意してください。

(Lichtinghagen et al.: Einfluss der Stauzeit auf normalisierte Laborwerte)